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頑張っている、今のあなたへ~こころの宅配便、第1便~

「自分はだめな人間だ」
「先の見通しがつかない」
「取り返しのつかないことをしてしまった」
「このまま消えてしまいたい」
といった自分を否定するような考えや、一歩も踏み出せないような考えがぐるぐる回っていませんか。これはうつ病によくみられる特徴です。

それなのに
「自分は精神力が弱い」
「周りから弱い人間だと思われるのではないか」
と気にして、苦しみを一人で抱え込んでしまい、状態が悪くなってしまうことが少なくありません。

普段と違うこころの様子が続くようなら、メンタルヘルスの専門家に相談することを考えてみてください。

だれもが初めての相談に不安やためらいを感じるものです。私たちは、みなさんが「相談してよかった」と思ってもらえるように努めています。大変なことだと思いますが、はじめの一歩をぜひ踏み出してください。

(神庭重信、精神科医・九州大学名誉教授)
出典:世界精神保健日本調査セカンド「精神障害等の有病率および受診行動」

100人中約7人の方がうつ病を含む気分障害を経験しているとされ、その7人のうち約3人が相談・受診をされていますが、約4人は相談・受診していない、という調査結果があります。

「ぐるぐると絡まった思考」は、時にそのままどんどん大きくなることがあります。そういったときには、早めに身近な誰かに話をしたり、専門家を訪れたりすることで、張りつめたこころがゆるむことがあります。

厚生労働省では、精神障害を有する方やメンタルヘルス上の課題を抱えている方を含め、誰もが安心して自分らしく暮らせる社会になるよう取り組みを進めています。そして、自分のこころを大切にできるような、こころの不調があるときに安心して相談できるような、さらに、周りの人にこころの不調があるときに、自然にあたたかく接することができるような、そんなつながりのある社会を目指しています。そのためには、こころの不調や病気について、実際にそうなったときに感じる気持ちも含めて、理解を広げていくことも大切です。
こうした取り組みの一環として、「こころの困りごと」を抱えている方に向けた専門家からの言葉をお届けする企画を始めました前回の記事へ)。

第1便は、精神科医の神庭重信先生からの、こころの困りごとを抱えておられる方に伝えたい言葉をお届けしました。
神庭重信先生には、広報誌「厚生労働」2022年4月号で「うつ病」について詳しく解説いただいていますので、ぜひ併せてご覧ください。

月刊「厚生労働」2022年4月号(日本医療企画)

また、「うつ病」の症状や治療等については、「みんなのメンタルヘルス総合サイト」でも分かりやすくご紹介しています。

■みんなのメンタルヘルス総合サイト(「うつ病」について):

■みんなのメンタルヘルス総合サイト(相談先について):
こころの健康や医療について、全国にある保健所や保健センター、精神保健福祉センターにて、幅広く相談を受けつけています。

■世界メンタルヘルスデーJAPAN特設サイト:
毎年10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。日本では、2020(令和2)年からイベントの開催やメッセージの掲載をしています。