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家庭でできる食中毒予防!第3回:お肉はよく焼いて食べよう!

こんにちは。厚生労働省 医薬・生活衛生局 生活衛生・食品安全企画課 リスクコミュニケーション係です。

まだまだ残暑の厳しいこの季節、夏の疲れを吹き飛ばそうとバーベキューや焼き肉などで「お肉」を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

家庭でできる食中毒予防。第3回目のテーマはお肉の食中毒予防です!
あわせて、食中毒予防の6つのポイントもご紹介します!

今回もぜひ最後までお付き合いください!
※第2回までの記事はこちら


お肉の食中毒って?

お肉の食中毒と聞いて、皆さんはどんなものを思い浮かべますか。

「牛肉の腸管出血性大腸菌?」
「鶏肉のカンピロバクター?」
「サルモネラ属菌?」

お肉の食中毒は毎年ニュースになっているので、お肉の種類だけでなく原因となった細菌やウイルスの名前を知っている方も多いと思います。

私たちの身の回りにはさまざまな種類の細菌やウイルスが存在しています。
なかでも、牛、豚などの家畜の腸内には、食中毒の原因となる腸管出血性大腸菌サルモネラ属菌などの細菌が存在し、と畜場でお肉にする過程でお肉やレバーなどの内臓についてしまうことがあるため、生や加熱不十分な状態で食べるのは食中毒のリスクを伴います。

注意しなければならないのは細菌だけではありません。
豚やイノシシの多くは、E型肝炎ウイルスに感染していることがわかっています。このウイルスは、お肉を生で食べることで人にも感染して、肝炎を発症し重症化することがあります。

また、お肉は寄生虫についても注意が必要です。

お肉の食中毒にかかるとどうなるの?

お肉の食中毒にかかるとどうなるのか、主なものをまとめました。

病原体によって症状が異なりますが、多くの場合、お肉の食中毒は発熱・腹痛・おう吐・下痢等の症状が現れます。

また、感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)も、例えばサルモネラ属菌なら8~48時間、腸管出血性大腸菌なら3~5日、E型肝炎ウイルスなら15~50日と、病原体によって異なります。

お肉の食中毒は健康な成人であれば軽い下痢や腹痛程度の症状で、多くの場合は数日で回復しますが、重症化すると命にかかわることがあります。
特に病気に対する抵抗力が弱い、小児、高齢者、妊婦(胎児)や免疫機能が低下する疾患にかかっている方については、重症化する可能性が高いため注意が必要です。

2011年に起こった牛肉のユッケによる食中毒では、181名の患者のうち5名が亡くなり、そのうち3名が14歳以下の子どもでした。

お肉の食中毒を防ぐにはどうしたらよいの?

命にかかわることもあるお肉の食中毒、怖いですよね。

ご安心ください!細菌、ウイルス、寄生虫、どれもしっかり加熱すれば大丈夫です!

ただし、お肉によっては、病原体がお肉の内部まで入り込んでいるので、表面だけでなく中心部までしっかり火を通してください中心温度75℃で1分間以上の加熱が重要です。

ハンバーグ・つくねなどの挽肉料理は、フライパンにふたをして中火で中心部までじっくり火を通しましょう。肉汁が透明になって中心部の色が変わるまで加熱すれば、食中毒の原因となる病原体は死滅しているので、おいしく安全に食べられますよ!

温度計がないときは、内部まで白っぽく色が変化しているか確認してくださいね。

新鮮だから大丈夫!ではありません

もしかすると、お肉が古かったから食中毒になったのでは?新鮮だったら大丈夫じゃないの?と思う方もいるかもしれません。

お肉が新鮮であっても安全ではなく、食中毒のリスクはあります。
例えば「新鮮だからこそできる鶏ささみ寿司」などとアピールして提供された加熱不十分な鶏肉が原因で、過去に500名を超えるカンピロバクター食中毒が発生したことがありました。

お肉はよく焼いて食べましょう!

温度管理と二次汚染にも気をつけましょう

加熱すれば大丈夫!と言いましたが、お肉の食中毒は温度管理二次汚染の予防も大切です。

まずはお肉の温度管理です。
お肉についている菌が増えないように、お肉は必ず冷蔵庫で保存しましょう。買ってから持ち帰るときも、肉汁等の水分が漏れないようにビニール袋等に包み、できれば保冷剤(氷)等と一緒に持ち帰りましょう。

また、保存するときも、二次汚染を防ぐため、お肉はビニール袋や容器に入れて他の食品に肉汁等がかからないようにしましょう。


二次汚染
前回の記事にも登場しました。

生肉などについている菌が手指や調理器具につき、そこから他の食品などに菌がどんどん広がってしまうことが二次汚染です。二次汚染は細菌だけでなく、ウイルスでも起こります。

お肉についている細菌やウイルスの二次汚染を防ぐために、

お肉を扱ったときは、手をしっかり洗いましょう。

お肉を扱った調理器具は、よく洗浄、消毒しましょう。消毒は熱湯がオススメです。可能なら、「肉・魚」と「野菜」用に別々の包丁とまな板を用意すると安心です。

③お肉を焼く際に使用する箸やトングなどには、お肉についていた病原体がついてしまいます。お肉を焼く箸と食べる箸は別々にするようにしてください。

これからの季節、バーベキューをする機会も多いと思います。野外で行うバーベキューは食品の保存温度が高くなりやすかったり、箸などの器具の使い分けや洗浄が不十分になりやすかったり、火加減が難しく生焼けになったりすることが多いので、特に注意してください。

安全においしいお肉を楽しみましょう!

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
この記事が少しでも、皆さんのお役に立てれば幸いです。

次回は、秋の味覚!「ジビエときのこ」の食中毒予防を予定しています。


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注釈・出典等
1 お肉の食中毒を避けるにはどうしたらよいの?(厚生労働省リーフレットPDF)

2 カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)(厚生労働省HP)

3 家庭での食中毒予防(厚生労働省HP)

4 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント(厚生労働省リーフレットPDF)


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