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なぜ厚労省に転職を? 経験者採用職員✕プロパー(新卒採用)職員

第2弾【前編】入省前のイメージとの違いは?

皆さん、こんにちは。カケル・プロジェクト(※)のメンバー馬奈木、溝尾です。

昨日、「厚生労働省本省係長級職員(一般職相当)採用選考」の応募受付が開始されました。

この選考は、複雑多様化する厚生労働行政のニーズに迅速かつ的確に対応していくため、政策実行の主力となる係長級職員について、多様な能力・経験を持つ人材を広く求めるものです。
執筆者である私たちも、この経験者採用選考で民間から厚労省に転職しました。

昨年は第1弾として経験者採用組の座談会の記事をお届けしましたが、第2弾となる今回は、経験者採用とプロパー(新卒採用)の職員が “厚労省入省後のリアル” について本音で語り合います!

この記事の最後に、経験者採用試験を受けようと考えている方へ向けた案内もございますので、転職を検討されている方はぜひご覧ください。

経験者採用の実態をお伝えした【第1弾】こちら

(※)カケル・プロジェクトとは
広報活動に興味・関心を持つ、意欲あふれる若手・中堅職員で構成されたチームによる「広報改革加速化プロジェクト」の通称です。省内公募で手を挙げた有志職員が、厚生労働省noteの執筆や省内広報等に携わっています。

【座談会メンバー】
・吉本 有希(雇用環境・均等局職業生活両立課、地方自治体からの転職で入省1年目)
・竹島 理紗(雇用環境・均等局職業生活両立課、新卒採用で入省8年目)
・馬奈木 亮(年金局資金運用課、金融機関からの転職で入省2年目)
・溝尾 沙希子(政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室、メーカーからの転職で入省3年目)


はじめに、現在の業務内容と厚生労働省を志望した理由について教えてください

吉本:私は今年の春に経験者採用職員として入省し、現在は育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法の次期改正に向けた検討に携わっています。

前職は地方自治体で、出向で厚労省に令和2年から3年間、子ども家庭局(現こども家庭庁)の保育分野の部署に在籍していました。経験者採用試験を受験し、3年間の出向が終わったところで地方自治体を退職して、厚労省に採用されました。

なぜ厚労省に転職したかというと、厚労省では男女の差を感じなかったためです。大学卒業後はしばらく東京で働いていたのですが、地元に帰って落ち着いて仕事をしようと思い地元の市役所に転職したところ、都心と比べると、担当業務によって男女の差を感じることがありました。その実態にモヤモヤし、転職を決意しました。

また、出向先の子ども家庭局の皆さんはとても優しく、働きやすかったということもありました。地方公務員として勤務していた時は、窓口対応などで自分のペースで仕事ができない部分も多々ありましたが、一方で厚労省では(部署にもよると思いますが)自分のペースで仕事をすることができ、上の人にも相談しやすい風通しの良さも魅力に感じました。

竹島:私は、採用当時は雇用均等行政と言われていた人事グループの一般職として平成28年に採用され、今年で8年目になります。

現在は育児・介護休業法を担当していて、具体的には、都道府県労働局で行っている法律に関する労働者からの相談対応や事業主への行政指導などの業務について、労働局に対して指示を出したりしています。

私が入省したきっかけは、中学高校と周りにアクティブな女性が多く女性活躍に関心を持ち始めるようになったことです。その後、女性活躍について大学で学んでいく中で、女性はどうしてもどこかのタイミングで仕事か家庭かどちらかを選ばなくてはいけないという、二択を迫られる状況があることに疑問を感じました。

やはり、仕事を頑張りたい女性がどちらか諦めなくてはいけないというのはどうなのかと。そこで、仕事を頑張りたい女性が仕事も家庭も諦めないでよいような社会の形成に携わりたいなと思い、厚労省を志望しました。


入省前に考えていた転勤や職場環境についてのイメージと、実際の自身の経験でギャップはありましたか

竹島:採用の説明会で、「本省採用者は、基本的には本省にいますが、地方の労働局に研修なり異動で出向することがあります」と言われたので、私は「たまに出るんだな」というようなイメージを持って入りました。
実際、8年働いた中で、4年目に係員級として地方労働局に出ましたが、それ以降は本省にいるので、転勤という意味では説明を受けていた通りだという印象はありますね。

また、現在は入省当時と比べテレワークの推奨などの「働き方改革」を推進していることもあり、労働環境が改善されてきていると思います。

吉本:私は、入る前は厚生系と労働系でまた違うんだろうなと思っていました。どちらかといえば、厚生系の方は、あまり転勤がないイメージだったんですが、労働系は必ず労働局に異動することとなっているから、異動が多いのかなというイメージがありました。

入ってみると、役職が上がり課長補佐級になると各都道府県の労働局の幹部になることから、イメージ通り結構異動するのだなと感じました。

また、前職と比べて厚労省の方が、部署にもよると思いますが休暇はとても取りやすいと感じました。

溝尾:私も休暇の取りやすさについては、かなり取りやすいと思います。
残業が多い部署もあると思うんですけど、省内全体でマンスリー休暇の取得(毎月1日以上の年休取得)を推奨していることは良いですね。

馬奈木:あとは、時間休も取得しやすいですよね。

溝尾:ほかにも、民間を中心にテレワークが普及する中、正直、民間と比べると厚労省はIT化が遅れているイメージをもっていたんですけど、テレワークを行える環境は整備されているし、特に子育てとか介護とか家庭の事情を抱えている職員の方とかにとってはすごく働きやすい環境だと周りを見ていて思います。

制度としてあるだけじゃなくて、みんなが当たり前に利用できているし、周りも理解できる文化が浸透していて、いいなと思いますね。

馬奈木:部署や繁忙の時期によっては、帰宅時間が遅い時もありますが、省としてテレワークの活用を推奨していますし、メリハリをつけて定時に帰ったり時間休も取得したりできるので、私もワークライフバランスを意識した働き方が実現できる職場だと感じています。

また、さきほど労働系の地方勤務についてお話しがでたので、厚生系の地方勤務について知っている範囲でお話ししますと、私が所属する年金局(厚生系)では、若手職員は入省後おおむね3~4年が経過したタイミングで、日本年金機構の年金事務所に出向となるケースが多いです。

ご存じの通り、年金事務所は全国各地にありますので、異動の対象は全国となりますが、異動先については、個々人の事情に応じ一定の配慮がなされているように聞いています。

厚労省に入省して、総合的な満足度を100点満点でいうと何点ですか

吉本:私は、70点ぐらいかなと思っています。
具体的な例はすぐには思いつかないのですが、たまに「ここはこうしたらいいな」と思うことがあるので、だいたい3割程度減ぐらいの感覚です。
あとは、平均点以上に満足していることも理由ですね。

竹島:私は、今携わっている仕事が、もともと希望していた内容というのもあって、そういう意味では満足しているかなという気がしますね。

ただ、省内全体で人手不足というところがあるので、それが原因で、たまに業務負担が大きくなったり、応援要員の配置による思わぬ異動があって影響を受けたりすることがあります。

新卒で入って厚労省しか知らないので、他の職場でどうかというのは分からないながらも、ちょっとそのあたりを負担に感じます。少々の不満はありつつ、仕事内容としては、私は満足しています。


地方公務員と国家公務員の違い、民間と公務員の違いについて教えてください

溝尾:民間との違いでいうと、部署異動が頻繁にある(厚労省ではおおむね2年ごとに異動)ことは大きな違いだと感じました。業種による違いもあると思いますが、前職では短期で異動したりすることがなかったので、ちょっとびっくりというか。

やっと仕事を覚えたと思った頃に異動になるので、毎月とか定例でやっている業務だったら2年間のうちに経験を積めると思いますが、年に1回の業務も多く、その場合は経験する機会が少ないため、1回経験したら、覚える間もなくもうそれで終わってしまうというか…。

民間であれば、2回目以降は業務の改善をすることで、1回目よりもブラッシュアップしていけると思うんですけど、省庁では頻繁な異動でそういったことができない分、正直もどかしくもあり、自身の成長を感じづらいところかなと思います。

地方公務員では、異動の頻度はどうですか?

吉本:地方公務員は通常3年から5年ぐらいかと思います。
最低3年は、同じ部署にいるという感じです。

竹島:国家公務員の場合、もちろんおおむね2年ごとの異動でいろいろな部署を経験していくのですが、例えば、係員から係長に昇進するタイミングで、係員時代に所属していた課を再び経験するということもあります。

一般職は基本的に採用された分野内での異動となるので、一度経験した部署にもう一度配属される可能性がある点は、一般職の特徴の一つだと思います。

また、前の課でやっていた業務経験を土台にして、こっちの課では法律が変わるだけという風に応用することもできるかと思います。先ほどの溝尾さんの話のように、次の年に自分の経験を業務の改善に結びつけるといったことは難しいかも知れませんが、過去の自分の経験を次の業務に活かしていくことはできるという感覚はありますね。

溝尾:あとは、1日にくるメールの量も多いですよね。だから、1日休んでしまうと、メールを確認するのが大変ですよね。

馬奈木:こういった環境の中、日々働いているので、入省当時皆さんアウトルックの知識が深いなと感じましたね。こういうやり方とかもあるんだと、多くの発見がありました。
そこは、いい点だと思います。

【前編】では入省前のイメージとの違いについての本音を語り合いましたが、皆さんのイメージとは合っていましたでしょうか。
厚労省で働くことに少しでも興味をもっていただけると嬉しいです。

厚労省で働く人たちに焦点を当てた【後編】こちら

今回の記事で厚生労働省の経験者採用について興味をもった方へ

下記のウェブサイトに、採用案内が掲載されています。ぜひご覧ください!
「厚生労働省本省係長級職員(一般職相当)採用選考」についてはこちら