厚労省がnoteを開設。皆さまの「暮らし」を支え、「未来」を紡ぐ政策に関する情報や、職員の想いをお届けします
初めまして。
厚生労働省 広報室長の野﨑伸一と申します。
私は、2019年7月から2年あまり、広報室長を務めてきました。人事異動により、今日9月13日が、私が広報室長である最後の日となります。この間、新型コロナウイルス感染症への対応に多くの力を注ぎながら、厚労省の広報改革を一歩ずつ進めてきました。
この厚労省公式アカウントの開設は、改革の一つとしてこれまで準備を進めてきましたが、開設を最後に、バトンを後任者に引き継ぎます。このnoteとともに広報改革は後任者に託すことになりますが、この芽吹きが、これから大きく育っていくことを信じています。
このアカウントの開設は、私が取り組んできた広報改革の最後の仕事です。
しかし、それは同時に、厚労省が国民の皆さんにもっと身近で、信頼できると感じていただける組織になっていくための、新たなスタートでもあります。この最初の投稿では、なぜこの公式アカウントを開設するにいたったのか、私の思いをお届けしたいと思います。
さて、唐突ですが、皆さんは厚労省に対してどのようなイメージをお持ちですか?
●残業が多い職場
(特に今は、新型コロナウイルス感染症対策でとにかく多忙)
●信頼できない役所
(国民一人ひとりの暮らしのことなんて真剣に考えていない)
●遠い存在
(どんな人がいるのか、何をやっているのか 分からない)
私はこれまで、仕事やプライベートでたくさんの方と出会ってきましたが、大体、こんな印象を持たれているんだろうなと感じてきました。おそらく皆さんも、同じような印象を持たれている方が多いのではないでしょうか。
でも、私の経験でいうと、こういう最初の印象は、日頃の仕事の中で自分が考えていること、私生活でのことを話しているうちに変わることがあります。例えば、先日出会った、ある支援者(福祉の専門職)の方は、「厚労省の人がこんなに現場のことを考え政策を作ってくれているなら、自分も明日から頑張ろうと思えた。」と言ってくださいました。
もちろん、こういう場合だけではありません。話していても、ずっと距離感が埋まらなかったり、「やっぱり分かってないんですね」という表情をされて落ち込んだりすることもあります。私たち厚労省の職員が、もっとたくさんの方と出会い、学び続けていかなければいけないことは、疑いようのない事実です。
その一方で、厚労省の職員の顔が見え、思いが伝わっていくことで、厚労省をもっと身近に感じてもらえたり、「信頼できる」ともう少し思ってもらえたりするかもしれない。私はその思いを強くしてきました。
厚労省は、国民の暮らしを支え、健康や命を守るという使命と責任を負っています。官庁の中でも特に、国民の皆さんの日々の生活に深く関わっているといえます。東京・霞が関にある厚労省本省の約3,900人の職員、全国の約34,000人の職員は、少なからずその使命と責任を担いたいという思いで、厚労省に就職し、日々職務に当たっています。
国民の皆さんに、「より多くの負担をお願いする」、「新型コロナウイルスの感染拡大の中で行動の制約をお願いする」といった、一見厳しく見える政策も、「日本の将来を担う世代が頼れる制度を持続するため」、「一人でも多くの命を守るため」に、考え抜いた結果であったりもします。
でも、これまで私たちは、
「公務員は裏方であり、職員が自ら顔を見せて思いを語ることは適当でない」という考え方のもとで、職員が「一人称」で政策の背景や自分の思いを直接発信することを控えてきました。
一方で、マスメディアを通じては、謝罪する幹部の姿や、厚労省の働き方に関するインパクトある事実が報じられてきました。
その結果、公務員としての本来の職務に懸ける職員の思いと、世間のイメージとの間に大きなギャップが生まれ、定着してしまっているように感じます。そして、そのギャップが、職員の意欲を削いでいくという悪循環に・・・
厚労行政は、これから生まれてくる赤ちゃんと妊婦さんのケアからはじまり、子育てや医療、労働、福祉、介護、そして年金など、本当に多岐にわたっています。
それはまさに、「ゆりかごから墓場まで」。
私たちは、国民の皆さん一人ひとりの暮らしを支え、人生に寄り添うための政策に携わっています。これらの政策に関する情報を、皆さんにしっかりお届けするためには、私たち自身が透明人間のような「遠い存在」のままではいけないのではないか・・・、そして、私たち職員の姿が隠れたまま、「働き方改革」の旗を振る厚労省が「過酷な職場」であるという印象だけが先行する状況がこれからも続くことは、誰の利益にもならないのではないかという、強い危機感をずっと抱いてきました。この気持ちは、私だけではなく、多くの職員が大なり小なり感じていることだと思います。
そんな中、2019年の夏、若手職員たちによる「緊急提言」を受ける形で厚労省全体が動きだし、同年12月から、厚労省をアップデートするための改革を始めることとなりました。
「厚労省が取り組んでいる改革と改善」
・人事改革
・業務改革
・広報改革
・職場改善
私が担当してきたのは「広報改革」です。
厚労省の政策は国民生活をより豊かにするためのものです。その目的を達成するためには、政策の情報を皆さんにもっと分かりやすく伝えられなければいけない。そして、そのためには、マスメディアを通じた情報発信だけではなく、政策作りを担当する職員自らが責任を持って、一次情報を国民に直接届けるための努力が不可欠ではないかと。
そして、
「職員の顔が見える」広報を始めることで、私たちの存在を身近に感じてもらい、それが皆さんからの信頼につながるよう、覚悟を持って広報改革を推進し、加速化していかなければならないのではという思いを持っています。
2020年1月。
「顔の見える広報」にフォーカスした広報改革に乗り出そうとしていた矢先、新型コロナウイルス感染症が発生。それ以降、厚労省は有事・危機管理モードとなり、新型コロナウイルスの収束に向けて職員は、元々の担当すら超えて、昼夜問わず全力で対応にあたってきました。それは今でも変わってはいません。
広報室長である私も、日々めまぐるしく動くコロナ関連の出来事に対処するため、マスメディアの皆さんと密なコミュニケーションを取り、また、感染状況や生活支援などに関して、厚労省SNSを通じた発信やプラットフォーマー各社と連携し、正しい情報を国民に届けるための努力をしてきました。
そして、昨年の冬頃からは、広報室を挙げて健康局のコロナワクチン広報チームの後方支援を行うなどして、今に至っています。ですが、そんな日々の中でも諦めず、わずかなすき間時間を見つけては、少しずつ、少しずつ、改革を進めてきました。
そしてようやく、厚生労働省公式noteをはじめるところまで来ることができました。
noteでは、担当職員自らが原稿を書いて政策情報をお届けします。
また、厚労職員が普段どのような仕事をしているのか、どんな思いを抱いて業務に取り組んでいるのか、どういうところにやりがいを感じているのかなども、少しずつ発信していきたいと思います。
原稿執筆を担当するのは、広報室だけではありません。noteの開設にあたって、「政策」や「職員の思い」を伝えたいという熱意を持った有志職員を省内で公募したところ、10人の仲間が手を挙げてくれました。これからは、彼らと広報室で一緒に投稿していきます。さらに、広報誌 月刊「厚生労働」に掲載された政策紹介記事の一部もnoteに掲載していきます。
私たち厚生労働省が掲げるタグライン、
国民一人ひとりの暮らしを支え、未来を紡ぐ厚労省の「政策」と「私たち」に関する情報を、noteを通じて分かりやすくお届けしていきます。