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トラウマに苦しんでいるあなたへ~こころの宅配便、第11便~

命に関わるようなできごとのあとに、

「そのことを急にありありと思い出す」
「思い出すと息が苦しく動悸や震えがみられる」
「どこにいても安心できない
「周りの世界から切り離され生き生きした感情がわかない

と感じていないでしょうか。

これは心理的なトラウマ(外傷)を受けたあとによくみられる特徴です。

「被害にあったのは自分が悪かったからだ」
「自分という人間はおかしくなってしまった

と思い込んで、サポートを受けられない人が少なくありません。

トラウマの話をすることは、誰でもためらうものです。

私たちは、まずは辛い体験の話を受け止め、診察室や相談室の中でほっとできるように心がけています。

勇気をだして、ぜひ、回復のための相談をしてみませんか。

金吉晴、精神科医、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所


PTSDを有する方のうち、医療機関を受診している方の経年推移
出典:令和3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金「持続可能で良質かつ適切な精神医療とモニタリング体制の確保に関する研究」より作成


心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder: PTSD)は、生命の危機に直面するような、日常的なストレスをはるかに超える過酷なストレスを体験した後に、その体験の記憶が自分の意思とは関係なく思い出されたり、辛さのあまりに現実感がなくなったりする障害です。2019年には約1万8千人の方が医療機関を受診しています。

厚生労働省では、精神障害を有する方やメンタルヘルス上の課題を抱えている方を含め、誰もが安心して自分らしく暮らせる社会になるよう取り組みを進めています。そして、自分のこころを大切にできるような、こころの不調があるときに安心して相談できるような、さらに、周りの人にこころの不調があるときに、自然にあたたかく接することができるような、そんなつながりのある社会を目指しています。そのためには、こころの不調や病気について、実際にそうなったときに感じる気持ちも含めて、理解を広げていくことも大切です。

こうした取り組みの一環として、「こころの困りごと」を抱えている方に向けた専門家からの言葉をお届けしています

第11便は、精神科医の金吉晴さんからいただいた、こころの困りごとを抱えておられる方に伝えたい言葉をお届けしました。

金先生には、広報誌「厚生労働」3月号で「PTSD」について詳しく解説いただいていますので、ぜひ併せてご覧ください。また、「PTSD」の症状や治療等については、「みんなのメンタルヘルス総合サイト」でも分かりやすくご紹介しています。

・みんなのメンタルヘルス総合サイト(「PTSD」について)

・みんなのメンタルヘルス総合サイト(相談先について)
こころの健康や医療について、全国にある保健所や保健センター、精神保健福祉センターにて、幅広く相談を受けつけています。


みんなにも読んでほしいですか?

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