活力の調整がきかないあなたへ~こころの宅配便、第7便~
「変わりない日常なのに、はしゃぎすぎる日が続く」
「寝ていないのに、不思議と元気が湧き続ける」
と活力がありすぎる時期があるかと思えば、
「エネルギーが全く湧いてこない」
「何故か悲しい気分でいっぱいになる」
と、ブレーキがかかりっぱなしの時期がある。
このような経験をしたことはありませんか?
これは双極性障害によくある特徴です。
心配なときは、身近な方と一緒に、こころの専門家を訪れてみると、不安がやわらぎ、安心することができるかもしれません。
あなたは気づいていないかもしれませんが、ご家族・ご友人など身近な方は普段と違う様子に気づいていることもあります。
こころの専門家は、普段のあなたと違う、目に見えないこころの波を言葉で整理してくれ、あなたがあなた自身を理解する助けになるかもしれません。
(松尾幸治、精神科医・埼玉医科大学医学部精神医学)
100人中約7人の方が双極性障害(双極症や躁うつ病、双極性感情障害などとも表記されます)を含む気分障害を経験しているとされ、その7人のうち約3人が相談・受診をされていますが、約4人は相談・受診をしていない、という調査結果があります。
厚生労働省では、精神障害を有する方やメンタルヘルス上の課題を抱えている方を含め、誰もが安心して自分らしく暮らせる社会になるよう取り組みを進めています。そして、自分のこころを大切にできるような、こころの不調があるときに安心して相談できるような、さらに、周りの人にこころの不調があるときに、自然にあたたかく接することができるような、そんなつながりのある社会を目指しています。そのためには、こころの不調や病気について、実際にそうなったときに感じる気持ちも含めて、理解を広げていくことも大切です。
こうした取り組みの一環として、「こころの困りごと」を抱えている方に向けた専門家からの言葉をお届けする企画を始めています。
第7便は、精神科医の松尾幸治さんからいただいた、こころの困りごとを抱えておられる方に伝えたい言葉をお届けしました。
松尾先生には、広報誌「厚生労働」10月号で「双極性障害」について詳しく解説いただいていますので、ぜひ併せてご覧ください。また、「双極性障害」の症状や治療等については、「みんなのメンタルヘルス総合サイト」でも分かりやすくご紹介しています。
・みんなのメンタルヘルス総合サイト(「双極性障害」について)
・みんなのメンタルヘルス総合サイト(相談先について)
こころの健康や医療について、全国にある保健所や保健センター、精神保健福祉センターにて、幅広く相談を受けつけています。
・世界メンタルヘルスデーJAPAN特設サイト
毎年10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。日本では、2019年(令和元)年にシンポジウムを開催し、2020(令和2)年からイベントの開催やメッセージの掲載をしています。
・世界メンタルヘルスデーJAPAN2022のイベント
第1部では田中ウルヴェ京さん、廣瀬俊朗さん、萩野公介さん、大山加奈さんらトップアスリートの皆さんの対談を配信しています。
また、第2部では、実際に精神疾患を経験している方々による体験談を交えたお話しを配信しています。