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これからのダイバーシティ&インクルージョン。 障害者雇用に積極的に取り組む「もにす認定制度」について

インクルーシブな社会を作りたい!

こんにちは。職業安定局障害者雇用対策課で「もにす認定制度」の担当をしています、入省3年目の石川と申します。

昨今、「ダイバーシティ」や「インクルージョン」といった言葉を耳にする機会も多くなりました。女性・障害者・高齢者・外国人など、多様な人材の社会参加がますます重要視されています。
私自身、大学院のゼミでは、障害者の教育や福祉などを学んできました。学生時代には、北海道浦河町にある精神障害などをかかえた当事者の地域コミュニティや、滋賀県東近江市にある知的障害児・者の福祉施設を訪問しました。
そこで障害当事者や支援者と交流した経験から、障害のある・なしにかかわらず、一人の人間として地域社会で自立して生き生きと暮らせるような、インクルーシブな社会を作っていきたい、それをライフワークにしたいという思いから、厚生労働省に入省しました。

入省3年目にして、この4月から、障害者施策を担当する障害者雇用対策課に配属されました。障害者が職業生活を通して自立することを促進するための制度づくりなどを行っており、まさに自分の想いが実現できる職場で働けていると日々実感しています。障害者雇用という視点から、インクルーシブな社会を実現するため、精一杯取り組んでいきたいと考えています。
今回の記事では、障害者雇用の課題と私が担当する「もにす認定制度」について紹介します。

障害者雇用の課題とは?

障害の有無にかかわらず、誰もがその希望や適性に応じて能力を有効に発揮し、職業を通して自立した生活を送ることができる共生社会の実現を目指すため、「障害者の雇用の促進等に関する法律」が制定されています。

この法律では、障害者が一般の労働者と同じ水準で常用労働者となる機会を確保するため、常用労働者数に対して障害者が一定以上となるよう割合(障害者雇用率)を設定し、事業主に障害者雇用率を達成する義務を課しています。現在、民間企業においては、従業員のうち2.3%以上障害者を雇用するよう定められています。

しかし実際に、この雇用の義務が課せられている民間企業のうち、雇用率以上に障害者を雇用している割合は、令和3年6月1日時点で47.0%(「令和3年障害者雇用状況の集計結果」)に留まるなど、障害者雇用の課題は様々あるといえます。

「もにす認定制度」とは?

とりわけ、雇用に関するノウハウなどを十分に有していないことで、中小企業は大企業と比べると、障害者の雇用が進んでいないという課題があります。
そうした中でも、障害者雇用に積極的に取り組む中小企業もあることから、これらの中小企業を認定し、その企業がロールモデルとなることで、地域での取組が促進されることを目指すため、「障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度」(通称「もにす認定制度」)が、令和2年度にスタートしました。愛称である「もにす」には、明るい未来や社会の実現に向けて「ともにすすむ」という思いが込められています。

さらに、障害者にとって良質な雇用の場を作ることは、組織全体のダイバーシティが促進され、女性・高齢者・外国人など誰もが働きやすい場をつくることにつながります。

もにす認定を受けることは、事業主にとっては、企業のイメージアップにつながり、また障害のある求職者にとっては、応募する際の安心材料になるため、企業と仕事を探している方の両方に、広く「もにす認定制度」のことを知っていただきたいと考えています!
 
令和2年度にこの制度がスタートし、「有限会社利通」(福島県)、「株式会社OKBパートナーズ」(岐阜県)、「はーとふる川内株式会社」(徳島県)の3社がもにす第1号として認定されたことを皮切りに、それから2年後の令和4年3月末時点で148の中小事業主が認定企業になりました。
 
認定の基準として、法定雇用率以上に障害者を雇っていることは必要条件ですが、加えて、障害者雇用の取組などに関する各項目を総合的に評価します。その基準を満たす企業が都道府県労働局により「もにす認定企業」として認定されます。

認定を受けた企業からは、障害者雇用に関する活動を振り返るとともに今後につながる重要なきっかけになった、などの声を聞いております。各企業の具体的な取組については、今後、noteの別記事にてあらためて紹介したいと思っています。

ぜひウェブサイトをご覧ください!

最後まで、本記事をお読みいただきありがとうございました。
「もにす認定制度」について、ぜひとも以下のウェブサイトをご覧ください!

また、都道府県労働局ハローワークでは、申請のための手続きなどのご相談を受け付けています。
担当としては、認知度アップに努め、一人でも多くの方にこの制度や認定企業を知ってもらえるよう、積極的に広報を行っていきたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いします。

【もにす認定制度について】

【もにす認定企業一覧】