世界中で注目されている「聞こえ」の重要性。身近なことからできる予防などを皆さまにお伝えします!
こんにちは。障害保健福祉部 企画課です。
突然ですが、あなたの「聞こえ」は大丈夫でしょうか。
日常生活で、「以前より音が聞こえにくくなった」「聞き返すことが多くなった」と感じる方はいらっしゃいませんか。
「聞こえにくさ」は、命にかかわる状態ではないため、軽視されてしまいがちですが、聞こえの重要性は世界中で注目されています。
それは、聞こえにくさの原因はさまざまですが、「聞こえ」の問題が、認知症、うつ病、フレイル(こころや身体の活力が低下して介護が必要な状態に陥りやすい弱ってきた状態)の発生等に関係しているといった報告もあるからです。
全3回を予定している「聞こえ」に関するnote記事。
1回目となる今回は、耳の「聞こえにくさ」について説明させていただき、「聞こえ」の重要性、身近なことからできる「聞こえにくさ」の予防などを皆さまに伝えたいと思います。
聞こえにくさについて
耳の聞こえが低下している状態とは、どのような状態でしょうか。
自分で気づくような「音が全く聞こえない」という状態だけでなく、自分では「聞こえにくい」状態であると気づかない場合があります。
こんな症状はありませんか。
これらに該当する場合、耳の聞こえが低下している可能性があります。
また、耳の聞こえの低下は、年齢に関係なく、生活環境や労働環境などのさまざまな事情により、生じることがあります。
聞こえにくくなると、どのような影響がでるの?
日常生活で耳の聞こえが低下すると、生活に必要な音、例えば家族や友人との会話などが聞こえにくくなり、コミュニケーションが円滑にいかなくなることがあります。
すると、自分の気持ちをうまく伝えられない等のストレスを感じることもあります。
また、社会生活で必要な会話などの音が聞こえにくくなり、自信をなくしたり、社会的に孤立し、うつ状態に陥ったりするなど、社会生活に悪影響を及ぼす可能性もあります。
他にも、危険を察知する能力が低下し、例えば車が近づいてきても気がつかないなど、交通事故などのリスクが高くなります。
最近は、難聴により認知症の発症リスクが高くなることが報告されています(ただし、先天性難聴や一側性難聴(左右どちらか片方の難聴)はこの限りではありません)。
「耳にやさしい生活」を心がけて、聞こえにくさを予防しましょう
加齢に伴う難聴は、誰にでも起こりうることで、早い人では30歳代から始まります。
しかし、加齢以外の原因を避けるなど、日常生活の習慣を見直すことで、予防したり、進行を遅らせたりすることは十分に可能です。
長時間大音量でテレビを観たり、音楽を聴いたりしないなど、「耳にやさしい生活」を心がけることが大事です。
また、騒音などの大きな音が常時出ている場所を避けましょう。
騒音下で仕事をしている方は耳栓をしましょう。
加えて、静かな場所で耳を休ませる時間を作りましょう。1時間に1回、10分くらいが目安です。
難聴の進行を遅らせるために、生活習慣病の管理、栄養バランスがとれた食事、適度な運動、規則正しい睡眠、禁煙など、生活習慣の見直しを行いましょう。
「聞こえ」に関して気になることがある場合はもちろん、コミュニケーションで気になることがある場合も、早期発見、早期治療のために耳鼻咽喉科を受診し、聞こえの検査をすることが大切です。
早期の薬物治療や手術で改善する可能性があるものや、補聴器の効果が大きいものなど、症状により治療等の効果もさまざまです。補聴器を使うことによる認知症の予防効果や、QOL改善も報告されています。
定期的に聞こえの検査を受け、聞こえに対する適切なサポートを受けてみませんか。
(ご参考)聞こえにくさをチェックしてみましょう。
ひとつでも当てはまる方は、お近くの耳鼻咽喉科へご相談ください。聞こえが良くなる方法があるかどうか、耳の中を診察してもらうことが大切です。
「難聴啓発プロジェクト 聞きにくさ感じている方へ」日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
Hear well, Enjoy life - 快聴で人生を楽しく -日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会